クレジットカードには、利用限度額が必ず設定されています。利用限度額とは、そのカードを利用できる上限の金額のことです。
この限度額は、1か月経てばリセットされると考える学生の方が多くいます。しかしこれは間違いです。たとえば限度額が10万円のカードを持っていたとします。このカードを使って10万円のノートパソコンを買いました。これで限度額をすべて使ってしまったので、もうカードを利用することはできません。そして次の月になれば限度額がリセットされ、10万円を利用できるようになるという考え方です。
しかし実際には、上記のように1か月経ってもリセットされません。利用金額を口座からの引き落としで支払うことにより、限度額が回復するのです。
このページでは、クレジットカードの限度額はどうすればリセットされて復活するのか? 限度額のしくみについてくわしく説明します。
締め日と支払日
クレジットカードの限度額がリセットされるしくみを知るためには、締め日と支払日の2つを知る必要があります。締め日とは、カード利用金額を毎月確定する日のことです。そして支払日とは、締め日に確定した金額が口座から引き落とされる日のことです。
締め日と支払日は、カードにより異なります。学生がもつことができる主なカードの締め日と支払日を、以下のとおり表にまとめました。
学生が持つことができる主なカードの締め日と支払日
カード | 締め日 | 支払日 | 備考 |
---|---|---|---|
三井住友カード デビュープラス |
月末 | 翌月26日 | 好きな締め日・支払日を 選択できる |
15日 | 翌月10日 | ||
セゾンブルー・ アメリカン・エキスプレス ・カード |
月末 | 翌々月4日 | |
エポスカード | 4日 | 翌月4日 | 好きな締め日・支払日を 選択できる |
27日 | 翌月27日 | ||
JCB CARD EXTAGE | 15日 | 翌月10日 | |
学生専用ライフカード | 5日 | 当月27日 | 引き落としを指定する 金融機関により異なる |
翌月3日 | |||
Orico Card THE POINT | 月末 | 翌月27日 | |
「ビュー・スイカ」カード | 月末 | 翌々月4日 | |
MUFGカード・イニシャル | 15日 | 翌月10日 |
※支払日が土日・祝日など金融機関が休みの場合、翌日や翌々日のような平日の営業日に利用金額が引き落とされます。
たとえば、三井住友カード デビュープラスは、締め日は月末で、支払日は締め日の翌月26日です。(好みで15日締め、翌月10日払いに変更することができます)このカードを月の1日から月末までの1か月間で合計5万円利用したとします。このとき、利用した5万円は翌月の26日に銀行口座から引き落とされます。
—図—
なお、引き落としの約2週間前に、カード会社からの引き落とし日と引き落とし金額のメールが届きます。また、カード会社によっては明細書を郵送してくれるところもあります。このメールや明細を確認して、口座にカード利用金額を入金しておきましょう。
このように、クレジットカードには締め日と支払日があります。締め日で確定した利用金額は、支払日に指定した口座から引き落としで支払います。
限度額は利用金額を支払うとリセットされる
上記では、カードの締め日と支払日について説明しました。カードの利用金額は締め日で計算され、引き落とし日に後払いで支払います。
カード利用限度額は、支払日に利用金額を支払ったタイミングで、支払った金額だけ復活します。つまり、支払日まで限度額はリセットされません。
たとえば、三井住友カード デビュープラスを持っていて、利用限度額が10万円だったとします。この場合、月の初めから支払日である翌月26日までにカードを利用できる金額が10万円だということになります。
限度額が復活するしくみについて、もう少し具体的に説明します。三井住友カード デビュープラス(限度額10万円)に申し込み、4月1日に手に入れたとします。このとき、限度額である10万円までカードを利用することができます。
そして、月末までの1か月間で5万円を利用しました。三井住友カード デビュープラスは月末が締め日なので、5月26日の支払日には5万円を支払うことが確定します。そして、4月30日の時点では残り5万円を利用できる状態です。まだ利用金額を支払っていないので、限度額は復活しません。
そして5月1日から25日までの間で3万円を利用したとします。これにより、5月25日の時点では、残り2万円カードを利用できることになります。
5月26日には、4月に利用した金額5万円が口座から引き落とされます。前日までで2万円カードを利用できる状態だったので、カード利用金額5万円を支払うことにより、7万円利用できるようになります。
この流れを図にまとめました。
—図—
このように、カードを利用できる限度額は、利用金額を支払うことにより復活します。毎月の締め日でリセットされるわけではないので注意しましょう。そのため、リボ払いや分割払いのように利用金額を数か月にわたって支払う方法を使うと、カードを利用できる金額が少なくなります。
利用金額を繰り上げて支払えば限度額は復活する
ここまで、カードを利用できる金額は、毎月の支払日に口座から支払うことにより復活すると説明しました。しかし、高額な買い物や旅行の予定があり、支払日までにカードを利用したい場面もあるでしょう。そのような場合は、利用金額を繰り上げて支払うことにより、支払日を待たなくてもカードが使えるようになります。
カード利用金額を繰り上げて支払うには、カード会社に電話をしてから利用金額を振り込みます。カード会社の電話番号は、カードの裏面に書かれています。
—カード裏面画像—
繰り上げてカード利用金額を支払えば、支払日を待たずにカードを利用できる金額を増やすことができます。
まとめ
このページでは、クレジットカードの限度額はどのようにリセットされて復活するのか? 限度額のしくみについてくわしく説明しました。
カード利用限度額とは、カードを利用してから支払うまでの間に利用できる金額のことです。1か月に利用できる金額のことではありません。
そのため、カード会社が決めた支払日に、口座引き落としで利用金額を支払うことにより限度額が復活します。もし引き落とし日を待てないときは、カード会社に電話して利用金額を振り込むことにより、普通よりも早く限度額を復活させることができます。
限度額のしくみを理解すれば、自分が持っているカードをあといくら利用できるのかを知ることができます。その結果、「そろそろカードが使えなくなるのではないか?」と不安になる必要はありません。