「未成年だが親の同意がどうしても得られない(得たくない)」、「審査が不安」、「実際に審査に落ちてしまった」。このような理由でクレジットカードを持つことができない場合、「デビットカード」を持つという選択肢があります。
デビットカードとは、クレジットカードとほぼ同じように使える銀行のキャッシュカードのことです。未成年者でも親の同意なしで、入会審査も一切なしに持つことができます。
具体的には、VISAやJCBの国際ブランドが使えるお店やインターネットショップで、国内、海外ともに利用でき、利用金額に応じてポイントがもらえるものもあります。また、もしもデビットカードをなくしたり、盗難に遭ったりしたときの盗難・不正利用補償も付いています。
しかし、デビットカートとクレジットカードがまったく同じように使えるわけではありません。デビットカードとクレジットカードの大きなちがいは、以下の表の6つです。
デビットカードとクレジットカードのちがい
デビットカード | クレジットカード | |
---|---|---|
審査 | なし | あり |
支払いの タイミング |
即時払い | 後払い |
年齢条件 | 16歳以上 | 18歳以上 |
未成年者の 親の同意 |
不要な場合 がある (銀行による) |
必要 |
支払方法 | 1回払いのみ | 1回払い、2回払い、 ボーナス払い、リボ払い、 分割払い |
限度額 | なし (口座残高があれば いくらでも利用可) |
最高30万円 (審査により異なる) |
このページでは、デビットカードとは何か? そしてデビットカードとクレジットカードの6つの違い、さらにデビットカードを持つ方法について説明します。
デビットカードとは?
デビットカードとは、「国際ブランド」がついた銀行のキャッシュカードです。
国際ブランドとは、VISAやJCBなどの決済システムを提供している会社のことです。銀行のキャッシュカードに国際ブランドが付いているため、クレジットカードと同じようにお店やインターネットショップで利用できます。
J-デビットとは、J-デビットマークの表示があるお店で、銀行のキャッシュカードをデビットカードとして利用できるサービスのことです。
しかし、J-デビットをクレジットカードの代わりに利用することはオススメできません。理由は、「利用できる店舗が少ない(全国で45万店舗)」「インターネットでは利用できない」「海外利用できない」「深夜など利用できない時間帯がある(銀行により異なる)」という4つの致命的なデメリットがあるからです。
その点、国際ブランドが付いたデビットカードでは、これら4つのデメリットはすべてクリアできます。
デビットカードの特徴
冒頭で書いたように、デビットカードにはクレジットカードと大きくちがう点が6つあります。それは、「審査がない」、「16歳以上なら誰でも持てる」、「未成年でも親の同意が不要」、「利用と同時に支払い」「支払方法は1回払いのみ」です。
以下でデビットカードとクレジットカードとの6つのちがいについて、1つずつ説明します。
利用と同時に支払い
デビットカードとクレジットカードの最大のちがいは、利用金額の支払いのタイミングです。デビットカードは、お店やインターネットショップでの利用と同時にお金が銀行口座から引き落とされます。一方、クレジットカードの利用金額は翌月にまとめて引き落とされる後払いです。
利用と同時にお金が引き落とされることは、メリットとデメリットの両方があります。メリットは、銀行口座の残高以上の金額は使うことができないので、使いすぎを防ぐことができることです。一方、デメリットになるのは、バイトの給料日や親からの仕送り前で銀行にお金がないときは利用できないことです。
このように、デビットカードは利用と同時にお金が口座から引き落とされるのが特徴です。
支払方法は1回払いのみ
デビットカードの支払い方法は、1回払いのみです。上記のとおり、デビットカードは利用と同時にお金が引き落とされるカードだからです。クレジットカードであれば2回払いやボーナス払い、リボ払いや分割払いを利用できます。しかし、デビットカードではこれらの支払方法は用意されていません。
デビットカードで15万円のパソコンを買うとします。その場合、口座に15万円を用意しておいて、1回払いで購入します。このときもしも口座残高がパソコン代15万円よりも少ないと、デビットカードを利用できません。
デビットカードでは買い物などで利用したい全額を前もって口座に用意しておく必要があります。
審査がない
デビットカードには、クレジットカードのような審査が一切ありません。デビットカードは、利用と同時にお金が口座から引き落とされるからです。クレジットカードであれば利用金額は後払いであるため、支払うことができるかどうかを審査します。しかしデビットカードは即時払いのため、口座に利用金額がなければ利用できません。このように審査がないため、申し込めば100%確実に持つことができます。
クレジットカードであれば、ほかのカードやローンなどを延滞していたり、複数のカードを持っていたりすると、審査落ちしてしまい、持つことができない場合があります。しかし、デビットカードであれば審査が一切ないため、ほかのカードやローンに延滞があったり、無職で無収入だったりしても持つことができます。また、クレジットカードの審査に落ちた直後にデビットカードに申し込み、持つことも可能です。
もし審査に不安がある場合は、審査があるデビットカードなのかどうかを前もって確認しましょう。
限度額は口座残高
デビットカードには、利用限度額がありません。ですから、口座残高さえあれば、いくらでも利用することができます。(ただし、1日の利用上限は50万円や100万円などと決められています。)デビットカードは利用と同時に引き落としされるため、限度額がなくても銀行にリスクがないからです。
もし銀行に100万円の口座残高がある場合、デビットカードは100万円まで利用することができます。クレジットカードの場合、たとえ口座に100万円を用意していたとしても、最高30万円(カード会社の審査により異なる)しか利用できません。
デビットカードは、利用限度額がないため、口座残高さえあればいくらでも利用することができます。
16歳以上なら誰でも持てる
デビットカードは、16歳以上(銀行により異なる)であれば、誰でも持つことができます。デビットカードは銀行口座さえ作ることができれば、合わせて申し込み、持つことができるからです。
クレジットカードであれば、すべてのカード会社で入会資格が18歳以上となっています。また、18歳であったしても高校生は申し込み不可です。デビットカードの申込資格で「高校生不可」のような条件を設けている銀行はありません。そのため、たとえ高校生であっても申し込み、持つことができます。
未成年でも親の同意が不要
デビットカードは未成年であっても、親の同意が不要なものがあります。民法(法律)では「未成年者の契約は、親権者の同意がない場合は無効とする」と定められていますが、デビットカードは利用と同時に利用金額を支払うため、親の同意がなくても大きな問題がないからです。
クレジットカードであれば後払いなので、絶対に親の同意がなければ持つことはできません。一方、デビットカードであれば支払いは利用と同時であるため、親の同意なしに持つことができるものが多くあります。
たとえば、東京三菱UFJ銀行が発行する東京三菱UFJ VISAデビットや、ジャパンネット銀行が発行するJNB Visaデビットは、未成年であっても親の同意なしに持つことができます。ですから、未成年の学生がクレジットカードを持つことに親の同意が得られない場合、デビットカードであれば本人の意思だけで持つことができます。
毎月支払いには利用できない
デビットカードは、携帯料金やインターネットプロバイダ料金、電気代、ガス代などのような、毎月の支払いには利用できません。デビットカードが普及し始めた2010年頃は毎月の支払いでも利用することができました。しかし、口座残高不足により引き落としできない件数が多くなったため、多くの銀行が利用できないことにしたのです。
また、ガソリンスタンドの給油や高速道路の料金所でも利用できないことが多くあります。ガソリンスタンドや高速道路の料金所では、デビットカードの「即時引き落とし」ができないからです。ガソリンスタンドでデビットカードを利用すると、数日遅れて処理されます。その結果、銀行が数日間お金を貸している状態になってしまうためです。
なお、クレジットカードであれば、毎月支払いやガソリンスタンド、高速道路の料金所でも問題なく利用できます。
このように、クレジットカードであれば利用できる場面でも、デビットカードは利用できないことがあります。
以上がデビットカードとクレジットカードの大きな違いです。デビットカートは基本的にクレジットカードと同じように利用できますが、「審査がない」、「16歳以上なら誰でも持てる」、「未成年でも親の同意が不要」、「利用と同時に支払い」「支払方法は1回払いのみ」という6つの点が異なります。
オススメは東京三菱UFJ-VISAデビット
ここまでデビットカードがクレジットカードと異なる点を説明しました。では、デビットカードはどのようにすれば持つことができるのでしょうか? それは、銀行で口座開設をし、その後にデビットカードの発行手続きをすることで持つことができます。デビットカードは銀行のキャッシュカードなので、その銀行の口座を必ず持っている必要があります。
デビットカードを発行している代表的な銀行は、以下のとおりです。
デビットカードを発行している代表的な銀行一覧(オススメ順)
銀行名 | デビットカード 名称 |
年会費 (税込) |
特典・サービスなど |
---|---|---|---|
東京三菱UFJ銀行 | 東京三菱 UFJ-VISAデビット |
1,100円 (23歳以下は無料) |
前年利用額の0.2〜0.3%を キャッシュバック |
ジャパンネット銀行 | JNB Visa デビットカード |
無料 | キャッシュバックモール 利用額の1%キャッシュバック |
りそな銀行 | りそなVisa デビットカード |
550円 (初年度無料) |
利用額の0.5%のポイント付与 |
楽天銀行 | 楽天JCB デビットカード | 無料 | 利用額の1%のポイント付与 未成年者は親の同意が必要 |
楽天銀行シルバーデビットカード(VISA) | 2,200円 | 利用額の1%のポイント付与 ショッピング保険未成年者は親の同意が必要 |
|
スルガ銀行 | SURUGA VISA デビットカード |
無料 | 利用額の0.5%をキャッシュバック
審査あり |
イオン銀行 | イオン デビットカード |
無料 | 利用額の0.5%のポイント付与
審査あり |
以下で上の表の順にオススメである理由を説明します。
東京三菱UFJ-VISAデビットは23歳まで年会費無料、キャッシュバックがある
もっともオススメのデビットカードは、東京三菱UFJ-VISAデビットです。その理由は、「23歳以下は年会費無料」、「利用額の0.2〜0.3%のキャッシュバックがある」、「未成年者でも親の同意が不要」の3つのメリットがあるからです。これら3つのメリットをすべて備えているのは、東京三菱UFJ-VISAデビットだけです。
未成年の学生の場合、親の同意を得ることなく申し込み、持つことができます。そして通常1,100円(税込)の年会費は無料になり、その上デビットカードを利用した金額の0.2〜0.3%が、1年後に口座にキャッシュバックされます。
東京三菱UFJ-VISAデビットを使って1年間で10万円を利用したとします。するとその次の年に200円が口座に自動でキャッシュバックされます。
「たったの200円」と思われるかも知れませんが、もしも親の同意か得られずにクレジットカードを持つことができず、現金で支払っていたとすれば、この200円はもらえません。
デビットカードで支払ったという理由だけでキャッシュバックを受けることができるので、お得と言えます。
東京三菱UFJ-VISAデビットは、「23歳以下は年会費無料」「利用額の0.2〜0.3%のキャッシュバックがある」「未成年者でも親の同意が不要」という3つのメリットを唯一兼ね備えたデビットカードであることから、もっともオススメです。
JNB Visaデビットカードはキャッシュバックモールで利用すれば1%のキャッシュバック
東京三菱UFJ-VISAデビットに次いでオススメなのは、ジャパンネット銀行が発行するJNB Visaデビットカードです。このカードは「年会費無料」、「未成年者でも親の同意が不要」そして「キャッシュバックモール経由で利用すれば1%キャッシュバック」という3つのメリットがあります。
キャッシュバックモールには、Yahoo!ショッピングやHMV ONLINE、ビックカメラ、ソフマップ、チケットぴあなどが出店しています。これらのショップでJNB Visaデビットを利用して100円以上の買い物をすると、利用額の1%がキャッシュバックされます。たとえば、Yahoo!ショッピングで1万円の時計を買うと、2ヶ月〜4ヶ月後に100円がキャッシュバックされます。
(「ジャパンネット銀行 キャッシュバックモールの使い方」より引用)
ただし、このカードをキャッシュバックモール以外の街中やネットショップで利用した場合、キャッシュバックは一切ありません。ですから、「キャッシュバックモールの中によく使うショップがない」という場合は、上記で説明した東京三菱UFJ-VISAデビットのキャッシュバックの方がメリットが大きいと言えます。
JNB Visaデビットは、「年会費無料」、「未成年者でも親の同意が不要」、「キャッシュバックモール経由で利用すれば1%キャッシュバック」という3つのメリットが理由で、2番目のオススメのデビットカードです。
りそな銀行は年会費550円(税込)が必要
3番目にオススメのデビットカードは、りそなVisaデビットカードです。3番目である理由としては、「未成年者でも親の同意が不要」と「利用額の0.5%のキャッシュバックがある」という2つのメリットがある反面、「年会費500円がかかる(初年度のみ無料)」というデメリットがあるからです。
利用額の0.5%がキャッシュバックされるのは大きなメリットですが、ほかに年会費無料のデビットカードが多くある中、500円の年会費が必要なのは大きなデメリットです。なお、年会費500円分をキャッシュバックしてもらおうと思った場合、このカードを1年で10万円利用する必要があります。ですから、もし年間10万円利用しない場合、このカードは絶対に持つべきではありません。
楽天銀行デビットカードは、未成年者は親の同意が必要
楽天銀行デビットカードは、VISAとJCBの2種類が発行されています。オススメ順位が4位、5位である理由は、どちらも「親の同意が必要」であるためです。もしも親の同意が得られないためデビットカードを持とうと考えているなら、楽天銀行デビットカードは選択肢になりません。
楽天銀行デビットカードを持つためには、楽天銀行の口座を開設する必要があります。口座開設のとき、未成年者は自分と親の両方の本人確認書類を提出する必要があります。本人確認書類とは、運転免許証や健康保険証のことです。
ただし、楽天銀行デビットカード(JCB)は、親の同意が必要なことを除けば、「年会費無料」で「利用額の1%のポイント付与」されるという、もっとも多くのポイントが獲得できるデビットカードです。もし審査が落ちてしまったり、不安があったりするという理由でデビットカードを持とうと考えていて、親の同意は問題ないのなら、楽天銀行デビットカード(JCB)がもっともオススメです。
スルガ銀行とイオン銀行は審査がある
もっともオススメでないデビットカードは、スルガ銀行のSURUGA VISAデビットカードとイオン銀行のイオンデビットカードです。その理由は、デビットカードなのに「審査がある」からです。
もしもクレジットカードの審査に落ちた後であったり、不安があったりすることが理由でSURUGA VISAデビットカードやイオンデビットカードに申し込んだとします。するとクレジットカードと同じように審査に落ちてしまい、持つことができない可能性が十分にあります。
審査に落ちた後や落ちそうな心当たりがあるなら、ほかのデビットカードに申し込むようにしましょう。
以上の理由により、もっともオススメのデビットカードは「東京三菱UFJ-VISAデビットカード」です。そして、ジャパンネット銀行のキャッシュバックモールをよく利用するならJNB Visaデビットがオススメです。楽天銀行デビットカード(JCB)は未成年者の場合、親の同意が必要というデメリットがありますが、もっとも多くのポイントが獲得できるデビットカードです。
SURUGA VISAデビットカードとイオンデビットカードは、審査があるデビットカードです。審査に落ちると持つことができないので、あえて申し込む意味が見当たりません。
デビットカードは「クレジットカード」として利用処理される
ここまでデビットカードとクレジットカードのちがい、そしてもっともオススメのデビットカードは、東京三菱UFJ-VISAデビットであると説明しました。それでは、デビットカードを手に入れた後、どのように利用すればよいのでしょうか? デビットカードの利用方法は、クレジットカードと「まったく」同じです。なぜ「まったく」同じなのかというと、お店やインターネットショップでは、「クレジットカードとして処理される」ためです。
ですから、お店のレジでは、「クレジットカードの1回払いで!」と伝えるようにしましょう。もし「デビットカードで!」と伝えると、上記のJ-デビットと勘違いされてしまい、レジでトラブルになる可能性があります。
インターネットショップでは、デビットカードに記入されている16ケタの番号と有効期限、そしてカード裏面のセキュリティコードを入力して利用します。
デビットカードは、お店のレジでは、「クレジットカード」として利用するようにしましょう。
まとめ
このページでは、デビットカードは「未成年で親の同意が得られない(得たくない)」、「審査が不安」、「実際に審査に落ちてしまった」そのような学生にオススメの理由と、クレジットカードとの大きな6つのちがいを説明しました。
未成年で親の同意を得ることや審査が問題でクレジットカードを持つことが難しい場合、デビットカードを持つと良いでしょう。
いくつかの銀行が発行しているデビットカードの中でもっともオススメなのは、東京三菱UFJ-VISAデビットです。オススメである理由は、「未成年者であっても親の同意なしに持つことができる」、「クレジットカードのような審査がない」、「年会費は23歳未満なら無料」、「前年の利用額の0.2〜0.3%をキャッシュバック」してくれるからです。
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