学生カードを就職して社会人になってからも利用する方法

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大学などを卒業し社会人になった場合(学生ではなくなった場合)、学生クレジットカードを返して別のカードに申し込まなければならないのではないか? または、勤務先をカード会社に連絡しなければならないのではないか? など、卒業が近い学生であれば、そのような不安があるかもしれません。

結論は、学生の間に作ったクレジットカードは、就職して社会人になってもそのまま利用することができます。本来はカード申し込み時に登録した職業などに変更があれば、カード会社に連絡する必要があります。しかし、実際はカード会社に連絡しなくても、利用できなくなることはありません。ただそれでも、社会人になれば「職業」、「住所」、「引き落とし口座」の3つはカード会社に連絡すべきです。

このページでは、就職して社会人になったとき、今持っているカードはどうなるのか? そしてカード会社への連絡はどうすればよいのか? について説明します。

学生カードは就職して社会人になってもそのまま使える

学生クレジットカードの有効期限は5年または3年です。(カード会社の判断により設定される。)この期間中は、卒業して社会人になっても引き続きカードを利用することができます。また、就職せずに自営業やフリーター、無職になったとしてもカードを利用できます。

ただし、カードの「在学中特典」は、卒業や中退により学生でなくなると同時に、受けることができなくなります。

在学中特典とは、学生の期間のみ受けることができるサービスです。たとえば、学生専用ライフカードでは、在学中特典として海外でのカード利用の3%がキャッシュバックされます。

クレジットカードに表示されている有効期限までは、学生であるかどうかに関わらずカードを利用することができます。ただし、在学中特典は受けることはできなくなります。

カード会社に連絡すべき3つの登録情報

上記のとおり、学生カードは就職して社会人になっても引き続き使うことができます。カード会社に就職先などを連絡しなくても利用できます。しかし、カード会社に連絡した方がよい登録情報が3つあります。それは、「職業」、「住所」、「引き落とし口座」です。以下でくわしく説明します。

1.職業:利用限度額が上がる可能性がある

1つ目は職業です。社会人になって就職した場合、職業や年収、勤務先をカード会社に連絡すべきです。会社員であれば、学生の時とは違い「安定した収入」があると判断されます。カードの利用限度額は職業や年収により設定されるため、学生のときより限度額が多くなる可能性があります。

学生がカードを持つ場合、割賦販売法(法律)により利用限度額30万円以上になることはありません。法律で、「安定した収入がない場合、クレジットカードの限度額は最高30万円とする」ことが定められているからです。たとえアルバイトによる収入があったとしても「安定した収入」とはみなされません。一方、毎月の給料のように安定した収入がある社会人なら、限度額30万円の制限はなく、年収に応じた限度額が設定されます。

たとえば、学生カードの限度額が30万円だったとします。就職した会社では、毎月の給料とボーナスを合わせて年収300万円ほどありそうでした。カード会社に就職した会社名や業種、見込み年収を連絡すれば、限度額40万円などに上がる可能性があります。(カード会社が職業や会社規模により判断します)

就職して社会人になったことをカード会社に連絡すれば、利用限度額が上がる可能性があります。ですから職業はカード会社に連絡すべきです。

2.住所:重要な郵便物を受け取るため

2つ目は住所です。もし就職のために引っ越し、学生のときと住所が変わった場合には、カード会社に新しい住所を連絡すべきです。以前の住所のまま登録しておくと、「重要な郵便物」を受け取ることができなくなってしまうからです。

重要な郵便物の例として、有効期限が更新されたクレジットカードがあります。今持っているカードの有効期限が近づいた場合、自動的に有効期限が更新され新しいカードが郵送されます。このとき以前の住所のままだと、新しいカードを受け取ることができません。もし郵便局に転送を届け出ていたとしても、クレジットカード本体は「転送不要」郵便で郵送されるため、転送されないのです。

新しいカードが手元にないと引き続いてカードを利用することはできません。さらに、カード会社が住所を把握できないという理由で自動的にカードを退会させられてしまう可能性があります。退会させられてしまうと、毎月の携帯代などの支払いもできなくなってしまいます。

カード会社からの重要な郵便物を受け取るため、就職と同時に引っ越した場合には、新しい住所を必ず連絡すべきです。

3.引き落とし口座:給料の振込口座に変更する

3つ目はカード利用金額の引き落とし口座です。就職して、給料の振込先として新しい口座を作った場合には、毎月カード利用金額を支払う口座を変更することをお勧めします。

変更しなかったことが理由でカードが利用できないわけではありません。しかし、残高不足による延滞を防ぐことができます。

たとえば、学生の間は親からの仕送りやバイト代が振り込まれていた口座を引き落としに指定していたとします。しかし、社会人になってからはその口座に入金がなくなりました。この場合、引き落とし口座に自分でカード利用金額を入金しなければなりません。毎月ほかの口座から入金するとなると、就職したばかりで忙しかったり、面倒だったりして延滞してしまう可能性が高くなります。

利用金額を延滞すると、カード会社から郵送される振込用紙を使ってコンビニから入金する必要があります。また、一時的にカードを利用停止され、毎月の携帯代や買い物にカードを利用できなくなってしまいます。

ですから、カード利用金額の口座残高不足による延滞を防ぐため、給料が振り込まれる口座を新たに作ったのであれば、利用金額の引き落とし口座を変更すべきです。

もし学生のときから引き落としに指定している口座に、就職後も入金があるのであれば、カード会社への連絡は不要です。

以上のように、就職先の情報をカード会社に連絡すれば、限度額が上がる可能性があります。また、住所や引き落とし口座の変更も必要に応じて行うと、カードの退会や残高不足による延滞を避けることができます。

登録情報の変更方法

ここまで、就職して社会人になれば、職業や住所、引き落とし口座をカード会社に連絡する必要があることをお伝えしました。では、カード会社への連絡はどのようにすればよいのでしょうか?

就職先と住所は、インターネット上の会員サイトからかんたんに登録情報を変更できます。しかし、引き落とし口座の変更だけは、カード会社に電話して書類を取り寄せ、郵送で届け出る必要があります。口座を変更するためには、銀行印が必要だからです。また、注意が必要な点として、新しい口座から利用金額が実際に引き落とされるまで、2〜3ヶ月かかる場合があります。ですから変更の手続き後も2〜3ヶ月の間は、以前の引き落とし口座にお金を移動する必要があります。

就職先と住所の変更は、インターネット上の会員サービスだけで済ませることができます。そして、カード利用金額の引き落とし口座を変更する場合は、カード会社に電話して書類を郵送してもらいましょう。

変更するタイミングは、実際に就職してから

それでは、就職して社会人になることをカード会社に連絡するタイミングはいつがよいのでしょうか? それは、実際に就職し、社会人になってからです。内定の段階ではカード会社に連絡しても受け付けてもらえません。たとえ内定をもらっていたとしても、その時点では学生だからです。

カード会社に就職先を伝えると、在籍確認の電話があります。これは本当に就職しているのかを調査するためです。

就職したばかりの同じ会社の人に、「借金をしている」とか「カード利用額を支払っていない」などと誤解されないかと不安になるかも知れません。しかし、そのようなことは一切ありません。

カード会社からの在籍確認の電話は、世間一般でよくあることです。ですから、カード会社から電話があったという理由だけで、会社での人間関係や立場が気まずくなることはありません。

在籍確認の電話に出られなくても問題ない
就職して初めの1ヶ月間など、会社以外の研修などで会社にいないことが多いかも知れません。また、会社にいてもたまたまトイレに行っていて電話に出られない可能性もあります。在籍確認の電話は、本人が出る必要はありません。「在籍」していることを確認することが目的だからです。

カード会社からの電話に出た会社の人が「○○(名前)は研修中で出社しておりません」や「ただ今席を外しております」と答えるだけで、「在籍」していることは確認できます。ですから、カード会社からの電話がいつかかってくるのかなどを気にする必要はありません。

就職しなかった場合は届け出ない方がよい

ここまで、学生から就職して社会人になった場合は、就職先をカード会社に連絡すべきだと書きました。しかし、就職しなかった場合は連絡しないことをお勧めします。就職しなかった場合とは、自営業やフリーター、無職となったときです。

自営業やフリーター、無職であれば、カード会社からの評価は学生と比べて低くなります。そのため、学生のときよりもカード限度額を下げられてしまう可能性があります。限度額を下げられてしまうと、家電のような高額な買い物をカードでしようとしたとき、限度額オーバーで使えないことが増えてしまうのです。

大学などを卒業後、社会人となったときの職業などは、自分から連絡しない限りカード会社には分かりません。ですから大学などを卒業後、就職しなかった場合は、職業をカード会社に連絡しない方がよいと言えます。

まとめ

このページでは、就職して社会人になったときも、学生カードは引き続き利用できることを説明しました。そして、「職業」や「住所」、「カード利用金額の引き落とし口座」の3つは、必要に応じてカード会社に連絡すべきです。

職業は就職した場合、限度額が上がる可能性があります。また、住所や引き落とし口座を変更しないと、カードを退会させられたり、利用金額を延滞してしまったりする恐れがあります。

職業と住所は、インターネット上の会員専用サイトで情報変更できます。引き落とし口座は、カード会社に電話し、書類を郵送してもらいます。その書類に新しい口座情報を記入し、銀行届け出印を押して返送することにより変更できます。ただし、口座の変更には2〜3ヶ月の期間がかかる場合があるので、残高不足が理由で延滞しないよう注意しましょう。

ただ、「職業」は就職して社会人にならなかった場合にはカード会社に連絡しない方が有利です。(本来は連絡する必要があるが、一切の不都合がなくカード利用できる。)そして、「住所」と「カード利用金額の引き落とし口座」に変更がない場合、カードに連絡する必要はありません。

社会人になってからもオススメの学生クレジットカードの一覧はこちらで紹介しています